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本日のお題は「割れ窓理論」です。

この言葉を聞いたことがある、もしくは意味を知っているという方もいるかもしれないのですが、
お題の内容的に、前半では、まず簡単にこの言葉の説明から入りたいと思います。

社会学の分野のひとつに、環境犯罪学というものがあって、その分野で研究をしていた米国の犯罪学者、ジョージ・ケリングという人が、自分の理論をわかりやすく示すために「Broken Window Theory」という表現を論文の中で使いました。「割れ窓理論」というのは、その日本語訳で、もとは社会学の用語ということです。

で、この言葉が何を意味しているのかですが、端的にいいますと
たとえば
・ある建物の窓が割れている
とします。
それで、その壊れた窓が長いこと放置されたままでいると
そこを誰も管理していない、誰も注意を払っていないという雰囲気になって
その周辺で色々と良くないことが起こるようになる。
最初は、落書きだったり、ゴミのポイ捨てだったり、その手の軽犯罪が慢性化すると
住民のモラルが全体的に低下して、今度は、殺人だの強盗だの強姦だの、凶悪犯罪が多発するようになる、ということですね。

つまりいま説明したことの逆のことをやれば、
窓が壊れていたらすぐ治す、ゴミは清掃する、落書きはすぐ消す、
さらにいえば、事前に取り締まりを強化して未然にそれらを防ぐように努力すれば
治安はおのずと良くなり、凶悪犯罪は減っていく、というのが、割れ窓理論の示すところです。

実際過去にニューヨーク等で割れ窓理論の逆を実践したことで
治安が大きく改善した例があるみたいです。

割れ窓理論と凶悪犯罪に統計的の関連ないという
批判もあるようですがテーマから脱線するので割愛します。


で、ここからが後半ですが、お題に書いてあった
割れ窓理論と業務/ビジネスとにどういう関連があるのかです。

まず思ったのは、割れ窓理論の本来の意味とビジネス関係ないよねという点ですね。

ググるとたしかに、割れ窓理論とビジネスの関係、要は割れ窓理論はビジネスに
応用できる、といった内容のページがそれなりにあるんですよね。

職場の整理整頓だったり、勤怠だったり、マナー全般を
割れ窓理論に関連付けて実践しようというお話ですね。

ただ、そういうのって、割れ窓理論以前に、感覚的にわかってること
でもあるし、すでに職場での、規律とか、風紀とか、もっというと会社の
コンプライアンスとかで、別の言葉で既に言い表されていると思います。

ビジネスと割れ窓理論を関連付けるのは、
既に使われているそういう言葉にたいして、さらに説得力を持たせるために、
権威ある言葉を、本来の意味を無視して利用してるような印象です。

最初に説明したとおり、本来の割れ窓理論っていうのは
環境犯罪学で使われるれっきとした社会学の一用語なので、
そこに共通点を強引にみいだしてビジネスに関連付けようとするのは
素人の安易な思いつきというか、浅はかな考え以外のなにものでもないとおもいます。

割れ窓理論の生みの親のジョージ・ケリングも
勝手にビジネスに応用すんなって思ってるんじゃないでしょうか。

以上です。